分野を飛ばずに広く研究で用いられる水。日々の実験に欠かせない存在となっていると思います。安定と信頼性のある実験データを提供するためには水質が一定である純水を用いる必要があります。今回は水の種類とその特徴について解説します。
- 水道水
- 純水
- 超純水
水道水
特に精製されていない水道から出てくる水で実験には用いませんがガラス器具の洗浄に用いることがあるでしょう。不純物の量としては50mプールにドラム缶数本分と言われています。電気抵抗率は0.002~0.02MΩ・cm程度になります。水道水はガラス器具の洗浄に用いられますが水道水の成分にはCa2+やMg2+が含まれています。これが乾燥すると炭酸カルシウムや計算マグネシウムとなって白い塊として析出し水垢の原因となります。そのため、ガラス器具は水道水で洗った後に純水や超純水で洗い流すようにしましょう。
純水
水道水に対して不純物質除去の何らかの処置を行ない、塩類や有機物などをほとんど全て除去した水が純水です。不純物量は50mプールにコップ一杯分程度です。不純物を取り除く精製方法に指定はなく、何らかの処置をすれば純水と呼ばれます。。精製方法には蒸留、イオン交換、活性炭処理、RO膜(逆浸透膜)、UVランプ、限外ろ過膜などが用いられます。
超純水
純水を更に精製したものです。明確な定義はありませんが、一般的に比抵抗が15MΩ/cm以上の高純度の水です。全てH2Oにした理論上最高の純水の電気抵抗率は18.24MΩ・cm(25℃時)であり、超純水はこれに限りなく近い水です。
コメント