LB培地(Luria-Bertani medium)

LB培地(1L)を作成する際の組成

Tryptone10 g1%
Yeast Extract5 g0.5%
NaCl10 g1%
5N NaOHを200 µL加えてpH7.0±0.2程度に調節する。
純水を1000mL加える。
寒天培地を作成する場合はAgarを15 g(1.5%)を加える。

組換えDNAを増やしたり、目的タンパク質を純度高くかつ大量に作らせるためのツールとして大腸菌が用いられます。その大腸菌の培養する際に用いられる培地。抗生物質を添加して選択的培養や寒天プレートにも利用される。

大腸菌は中性pHを好むため、培地を調製した後にpHを7.0程度に合わせる必要がある。主に酵母の酸抽出物が原因で、調製直後の培地は酸性に傾くが初めはpH試験紙やpHメーターを使いNaCl溶液の量を確認し、同ロットを使用する場合はその実績を参照しても問題ない。

微量元素なども大腸菌の増殖に必要なため使用する水は純水で十分である。

LB培地の組成はトリプトン、酵母抽出液、NaCl、グルコースでした。そこからグルコースが省かれたものがMiller培地。NaClが半量になったものがLennox培地。さらに塩を減量したものがLuriaの低塩培地になります。上記はMiller培地の組成になる。

  • Tryptone

牛乳のタンパク質であるカゼインの加水分解物です。トリプシンで加水分解したものがトリプシン、ペプシンで加水分解したものがペプトン、塩酸でアミノ酸まで完全に加水分解したものがカザミノ酸です。酵素で加水分解することで低分子になり、大腸菌などの細菌類が栄養として利用しやすくなることです。また、オートクレーブによるタンパク質の変性を防ぐことに繋がります。

  • Yeast Extract

パン酵母及びビール酵母の熱水浸出液、自己融解物、酵素消化物である。主に増殖促進物質であるビタミン類が多く含まれている。また生体内での酵素反応に必要なマグネシウムなどのミネラルも豊富に含まれている。

  • NaCl

NaClは浸透圧を調節するために添加する。塩濃度が低く、低張液では溶菌してしまうことがある。

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